「植木屋さんだって植物に詳しいとは限らない」 愛すべき人たち 2

「植木屋さんだって植物に詳しいとは限らない」
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文と絵 おおくぼ みつゆき

「愛すべき人たち」2


私が、
とある小さな園芸の会社にいた時の
愛すべき人たちのお話しです。



そこは、
社員が10人にも満たないような
小さな、おもに植物関係に携わる
園芸会社でした。


その会社に、この会社に来る前は
デパートの営業を担当していた方と、
アパレル関係の全国チェーン店に居たと
いう、お二人の先輩がいたのでした。



仮の名前として、
デパートにいた方を
「アーさん」
と呼び。

アパレル関係に居た先輩を
「イーさん」
と呼ぶ事にします。



この二人の先輩、
面白い事に性格が全く違うのでした。


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「アーさんは、
腰につるしたハサミはダテで、
めったに使いませんでした。
まあ、
使ったとしても切れ味は
悪かったですからね。
それよりも、
水でジャーと流してハイ準備は
オッケーでしたね。」


デパートで営業を担当していた
という「アーさん」の方は。

細かい事は気にしなく大らかで、
貸し出しから交換して持ち帰った
観葉植物も水道の水を
「ジャージャー、バシャバシャ」
と吹きかけただけで
「はい、終わり」
と言う様な人でした。


そして次の日も、
会社に来てから適当に
鉢を選んでトラックに放り込んで
「さあ、出かけようか」
というような、
おおざっぱな性格でしたが。


そのわりには、
気が小さくて何をやるにも
自信がない人でした。

それなので、
何かやろうとすると
何十年もこの会社にいる
最長老にも関わらず。

入ったばかりの私に対して。

いちいち、
「これで良いよな、大丈夫だよなと」
確認を求めてくると言う
何とも複雑な性格の
持ち主だったのです。

そして、
「アーさん」は、
何十年も、この園芸会社で
植木の仕事に関わっているにも関わらず、
背丈ほどの松の木を手入れするのにも
半日もかかると言う植木の手入れの腕は
確実に素人の方が巧いと言うブキッチョ
方だったのです。


この「アーさん」が、
デパートを辞めた理由は、同僚との
喧嘩が原因だったそうなのですが。

「アーさん」は、
人の陰口を言う事は有っても。

人に、面と向かって文句を言ったり、
争ったりする事は無い人でしたから
「アーさん」が喧嘩をしたという事は、
よほど腹に据えかねる事が有ったのだと
思うのです。

それから、
こちらから聞いてもいないのに。

私に、
会社の人たちの、
あれこれを話してくれたのも
「アーさん」でした。

それにプラスして、
話してくれたのはアパレル関係にいた
「イーさん」でしたけれどもね

まあ、
この二人と仕事で
付き合っていた時間が
一番長かった訳ですから
自然と私が聞き役に
成っていたという事です。


「アーさん」は、
デパートの営業をしていただけあって
誰とでも物怖じすることなく、
すぐ人懐っこく親しくなって
話せる方でしたし。

誰にでも、
すぐに話を合わせられる
と言う特技も?
「アーさん」は、
持ち合わせていたのでした。

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「専務は、
最年長のアーさんに気を使い。
面と向かってではなく、
それとなく、みんなに向かって。
盆栽を作っている
訳じゃないんだからなー。
もっと手早くやれよー。
のんびりやってたら日が暮れるぞ。
と、言うのでした。」


いっぽう「イーさん」
の方は、と言うと。

「アーさん」とは真逆に
あらゆる事に几帳面なのでした。

例えば、
貸し出しから交換して
持ち帰った観葉植物は、
葉を一枚一枚丁寧に拭くのです。

まあ、
全てと言うわけでは
無いですがね。

ある程度の葉の大きさがあり
美しさを際立たせるために、
一枚一枚と・・・。

それから、
葉先の茶色く成りかかった所は、
例の、カミソリのように切れ味鋭い
ハサミを使い綺麗に切り落としてい
くのでした。

そして、
次の日に持っていく鉢は、
一つ一つあの場所は日陰だからこれ。

この場所は、
日当たりが良いからこれ
と選びだしトラックの荷台に
積んでおくと言う念の入れよう
だったのです。


元アパレルの「イーさん」は、
元デパートの「アーさん」とは逆に、
細かい事が凄く気に成り、
こだわりが強く頑固で
職人気質だったのでした。

休み時間に成って、
専務や、社長のお母さんが

「イーサンも呼んできて、
みんなでお茶にしようよ」

と成っても、
気が向かなければ私だけに
「お茶を飲んで来いよ」
と言って。

一人だけハウスの中に残って
休み時間も一人淡々と
観葉植物の手入れを
続けているような社内では
一人だけ浮いている変人感を醸し
しているのでした。


そして、
「イーさん」は、
「アーさん」の事を、
面と向かっては言わないまでも、
陰では何も出来ない人間として
バカにしていたのでした。
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「アーさんとイーさんは、
面と向かって
言い争うようなことは、
一切しませんが。
陰では私に向かって、
お互いの悪口を言ってくるのでした。
そんな時は、
私は黙って聞いている他
ありませんでしたが。
内心、私は、お互い
どっちも良いところもあれば、
悪い所も有りますよと。
そっと、つぶやくのでした。」


私が、
この会社に入って初めに付いたのは
「イーさん」の
観葉植物の貸し出しと管理の
リースの仕事でした。


「アーさん」は、その時は。

東南アジアの国への転勤が嫌で
企業を辞めて、この会社へ来たと言う
セレモニーの担当者の方の
「ウーさん」が。

造園部の手伝いに出て、
脚立から落ちて踵を骨折し休職中
だったので代わりに「アーさん」が、
セレモニー担当をしていたのでした。


という事は、
リースの定期的な観葉植物交換周りを
「アーさん」と「イーさん」
の二人でやっていたのでしょうか?


だとしたら
水と油の二人だったので。

とても上手くいっていたとは
思えませんので誰か新しい人を
募集したくなる気持ちも分からなくは
有りませんよね
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「職人としてはブキッチョで
ダメダメだけれども。
大らかで自由な所のあるアーさん。
職人気質で、
お客の事より植物第一で
融通の利かないところのあるイーさん。
2人とも真逆の性格だけど、
人間的には2人とも愛すべき人たちです。」

さて、つぎに
私が初めて「イーさん」と
対面した時の話です・・・。


(2019.9.5加筆、修正 挿し絵一枚追加)
(2019.9.6挿し絵一枚追加)
(2019.9.23誤・加筆 正・修正)
(2019.10.14加筆、修正)


「愛すべき人たち」3へと続きます・・・


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