「植木屋さんだって植物に詳しいとは限らない」愛すべき人たち5


「植木屋さんだって植物に詳しいとは限らない」
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文と絵 おおくぼ みつゆき


「愛すべき人たち」5

私が、とある小さな
園芸関係の会社にいた時の、
愛すべき人々のお話しです。

そこは10人未満の小さな、
おもに、お庭を作ったり管理したり、
観葉植物を貸し出し管理したり、
葬祭関連の装飾をおこなったりの
植物関係に携わる会社だったのです。



私が、
イーさんと一緒にリースの仕事を
始めて何日かたった頃の事です。


イーさんは、
トラックのダッシュボードの下から
本を取り出すと私に手渡して、
それを覚えろと言うのです。


手渡されたのは
ボロボロになった観葉植物の
図鑑でした。
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そこには、
私の全く知らない植物の名前と写真と
性質や原産地、生育方法などが
記されていました。


カポック、パキラ、ドラセナ、ユッカ、
サンスベリア、クジャクヤシ、アレカ、ビロウ、
フェニックス、ゴムの木、シュロチク、
などなど、私の知っていたのは
ゴムの木ぐらいだったでしょうか。

しばらくの間は、
イーさんが運転中に私が助手席で
図鑑を広げ、休み時間も図鑑と
にらめっこしていましたが、
良く扱う植物の名前を覚えると
いつの間にか覚えるのを辞めて
しまいましたね。


イーさんが運転中に、
横で図鑑を眺めていても
何も言わなかっのは、
イーさんはルートの道は
全て覚えているし、
とにかく運転や車が
大好きだったのです。


だから、
イーさんは絶対に、その席を
譲る事がなかったのです。

それから、
私が運転する事によって
私がルートをすべて把握してしまう事が
イーさん自身の地位を脅かす存在に
なられる事を恐れていると言った
印象も持ったのでした。

その運転については、
後にイーさんとの間で
ひと悶着があったのですが、
それは、またの
機会に致します。


イーさんとのリースの仕事は
楽しいものでした。

前職の、
たった三カ月間でしたが、
いた会社の一日中緊張感が漂い
張り詰めた空気感を体験して
いたせいもあるのでしょうが。


毎日違う所へ行って、
様々な人々の姿を見るのは
楽しく、植物が相手なのも
精神的な癒しにもな
りました。



それから、
面白い体験もありました。
繁華街近くで、
イーさんとは分かれ別々のカ所の
交換と確認をして、おち合うために
ビルの前で待っていると、
建物の二階から声をかけてくる人が
いるのです。


「ちょっと、お兄さん。
誰かを待っているなら、
そんなところに突っ立っていないで、
ここに上がってきて休みながら
待ってなさいよー」


と言うのです。

声のする方を見上げると、
何人かの女性が私に向かって
手を振っているのです。


きっと出勤前の水商売の
お姉さんたちなのだと
思うのですが、下に変な男が
突っ立っているので
暇つぶしにからかったのか
知れませんが。


悪気は感じませんでしたから、
本当に疲れたよう
にでも見えたのかも知れません。


私も、一瞬本当に2階で少しぐらい
休んで待っていても良いかなと
考えたぐらいですから。

でも、お姉さんがたには
丁重にご辞退させて
もらいましたけれどもね。
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それからホテルなどは、
交換、メンテナンスの
一仕事を終えると。


ご苦労様でしたと喫茶店で
コーヒーを出して
くれる所もありましたし。


真夏のキャバレーでは、
私たちが汗だくで
鉢の交換作業をしていると。


随分と若い経営者らしき
男の人が現れて、店の人に向かって

「おい、この方たちに何か
冷たい物でも差し上げろ」

と言ってくれる人もいましたね。


それから、
服飾関係でしたが同じ経営者でも
全く違う人もいました。


仕事が終わって集金に行くと、
目の前にいるにもかかわらず
来客中だから後にしてくれと言われ、
時間をずらして再び行くと、
面倒くさそうにお金を私たちに投げて
寄こした経営者の人もいました。
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世の中には、
色々な人がいるものだと
思ったものです。

前職の時には、
仕事を覚えるために家に帰ってからも
私の苦手な仕事関係の計算メモを覚える
事に必死に費やしていましたが。


リースの仕事では、
家に帰えって食事を済ますと、
もう眠気に襲われるような疲れた
状態でしたが気分の悪い疲れでは
ありませんでした。


リースの仕事では、
大体は3時から5時前には
会社に戻る事が多かったのですが。

5時を過ぎても帰れない日が
続いたのです

その理由は、
イーさんが残業をするのです。

5時をすぎても1時間、2時間と。

この会社で、
他に残業をする人は誰も
いないのにです。


イーさんは、
私に先に帰って良いと言うのですが。

どうも、
イーさんだけが残ってやっているのに
自分が帰ってしまうのは気が引けて
一緒に残ってやっていた訳なのですが。

アーさんなどは、
残業などしても残業代など
でないのだからする事は無いと
言うのですね。


すると、
ある日の事です。


社長のお母さんが、

(社長のお母さんも
皆からは○○ちゃん、
と呼ばれていました)

言うのです。


「あんたは、偉いね。
イーさんに付き合って一緒に残業を
しているのだから」と。


私は、
最初はその言葉を、
何も考えずにそのまま
受け取っていたのですが。


後に私は、
その言葉にはある意味が
含まれていた事を知るのでした・・・。




(2019.9.7挿し絵一枚追加)

(2019.9.23修正)

(2019.11.1加筆)


この先も話やエピソードは
続きます。

しかし途中ですが、
ここまでで一旦終了致します。


5回続けて書きましたが、
この続きは、また改めて
ブログになるか、notoか、
Youtubeか分かりませんが
少しずつ書こうと思っています。


そして、
この五回の連載は、
そのならし運転のような
ものなのでした。


それから、
これを書き始めた動機の
1つとして引きこもりの
問題が有ります。


現在、
日本中に「引きこもり」で
辛い思いや苦しい思いを
している本人やご家族の方が
多くいらっしゃると思いますが。


もしもこの作品が、
ほんの少しでも良いから
何かしら役立つ様な事が、
あるかどうかは分からないですが
有ったら良いなとの思いからでした。

私自身も、
引きこもりでしたから
引きこもりの方が、
どのような気持ちや感情でいのるか。

どの様に苦しんでいるのか、
悩んでいるか。

そして、
どの様に接すればいいのかも
少しは分かるつもりです。


この作品は、
そんな思いも込めた作品です。



読んでいただいた皆さん、
ありがとうございました。

なお、この作品は、
今後も題名や、副題、内容も、
改題、修正や加筆を加えて
いきますのでご承知おきください。

そして皆さまの、
応援などもいただけますと励みにも
なりますので宜しくお願いいたします。


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