ピピがフルーツ島を探険して発見したものを紹介しているのだ。
ふきまんぶく
ふきまんぶく
文と絵・田島征三
夏の ねぐるしい夜、ふきちゃんは ねむれないので えんがわにでた。
むかいの山を みているうちに、ふしぎなものを みつけた。
山のひとところに、きらきら ひかっているものが ある。
あそこには、きっと、星が たくさん おちてきたにちがいない。
ふきちゃんは、山へ 星を ひろいにでかけた。星あかりで、
はたけのあいだのみちが 白い。むかいのいえの 牛も、まだ
おきていた。牛ごやのまえを とおって、おもやのせどから、すぐ
山みちが はじまる。ふきちゃんは、ならの木や くぬぎの木の
あいだのみちを、のぼっていった。すこしいくと、みちが きゅうな
のぼりに なっている。星が たくさん おちていたのは、この
さかのうえの あたりだったと、ふきちゃんは おもった・・・
人には、それぞれ、その人なりの佇まいというものがある。
それと同じように、絵本にも、それぞれの佇まいがあるように
僕は思う。では、絵本の佇まいとは、いったいどのようなもの
なのだろうか。人によって考え方は有るだろうが。
僕が考えている絵本の佇まいとは、だいたいこのようなものだ。
まず、絵本の表紙から絵本の導入部分辺りにかけて醸し出
される雰囲気のことだ。では、この考えで「ふきまんぶく」の
佇まいを見てみよう。「ふきまんぶく」の表紙には白バックに
手描きの文字でタイトルの「ふきまんぶく」と大書されている。
僕は、この力強い「ふきまんぶく」という文字に、これから始まる
物語りへの自信と期待を感じさせられてわくわくする。そして、
その下にはフキの中から顔をのぞかせた、この物語の主人公である
女の子、ふきちゃんが描かれていて、やはり、その顔と目は、
まるでこれから始まる「ふきまんぶく」の物語のようにしっかりと
正面を見据えている。それから、表紙を開くとそこには物語の
タイトルである「ふきまんぶく」の意味の説明が書かれている。
そして、次のページには「ふきまんぶく」とだけタイトル
が書かれていて、いよいよ物語が始まるのだと感じさせる。
こおいう、ここまでの、この雰囲気が、僕は絵本「ふきまんぶく」
を名作の佇まいと呼べるものにしていると思うのだ。
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