ピピがフルーツ島を探険して発見したものを紹介しているのだ。
だいふくもち
だいふくもち
田島征三 作
むかし、あるまちに ごさくという おとこが すんでおった。
ごさくは、これといった しごともせず まいにち まいにち
ぐうたら くらしておった。ある ふゆのよる、「ごさく」と、
だれかが よぶので、ごさくは しぶしぶ ねやから はいでで
いったが、とぐちには だれも おらなんだ。
ある冬の夜のこと、「ごさく」と呼ぶ声がした。ごさくが不思議に
思っていると、床下にいただいふくもちがごさくを呼んでいたのだ。
だいふくもちは、腹がへったので小豆をくわせろという。しかし、
ごさくの所には小豆どころか粟もなかったので、もらってきた
小豆をだいふくもちにくわせてやった。すると・・・。
貧乏な男がひょんなことから金儲けをおぼえる。すると、もっともっと、
金を儲けたいと考えるようになる。そして、無理を承知の金儲けの
道へと踏み込んでいく・・・。何だか、今の時世にぴったりと合った
話だななどと思ったりもする。しかし、この絵本を読んで一番感じた事は。
ああ、いい俳優が良い演技をしているな。ということだ。じっさい、
貧乏な時のごさくと、大店の主人となった時のごさくの演じ分け方など
絶妙なのである。なぜ、こんな事を考えたかというと。まるで一本の映画
を観たかのような1冊であるからだ。良い脚本に、良い俳優に、良い美術。
それらを一つにまとめ上げて作品を作り上げた作者は、まさに名監督である。
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